ソイフード研究家・池上紗織さんに聞く「大豆ミートライフの楽しみ方」
現在、ゼロミートのレシピ監修をしていただいている、池上紗織さん。
池上さんは、日本ソイフードマイスター協会代表理事であり、ソイフード(大豆料理)研究家としてもご活躍していて、月に2回ほど開催している料理教室(現在はオンラインにて開催)は毎回満員になるほど盛況。またソイフードマイスター資格取得のための講座には、食品業界の方も学びにいらっしゃるほどだとか。
そんな大豆食品の普及に尽力されている池上さんですが、プライベートでは二児の母でもあり、忙しい毎日を送っているそうです。いつも元気いっぱいで周りを明るくしてくれる池上さんの「大豆ミートライフ」について伺ってきました。
「大豆ミートって、新しい選択肢ですよね」
改めて、ソイフード研究家である池上さんから見た「大豆ミート」の魅力を教えていただけますか?
大豆ミートは一般的に代替肉と言われますが、もちろんそういう側面もあるものの、私はもう少し広く捉えていて「新しい大豆加工食品だな」という印象なんです。なぜなら、いままでの大豆加工食品と「歯応え」が決定的に違うからです。
たとえば豆腐や湯葉は柔らかさが特徴的なので、しっかり歯応えがある大豆ミートが登場したことで、お料理の幅が一気に広がったんじゃないかなと感じています。
「大人向け」のアレンジが楽しいゼロミートハンバーグ
ゼロミートを使ったレシピをいくつも考案いただいてますが、その印象を教えてください。
まずハンバーグですが、粗挽きというよりはしっかり中身が詰まっているタイプだなと感じます。そのおかげでさまざまなアレンジレシピが楽しめる印象です。
また味わいについては、最後にふんわり「大豆感」を感じられるのがお気に入りです。もしかしたらそれを感じたくない、感じさせたくない、という人も多いのかもしれませんが、私は食卓に出すとき、自分の子どもに「これは大豆のハンバーグよ」ってちゃんと伝えるようにしているんです。子どもにとって、その食材の味わいや自分が何を食べているのか理解することはとても大切ですし、その上で大豆ミートらしいおいしさを知ってほしいですね。
そういう考えもあって、最後の最後に感じる「大豆らしさ」を活かすレシピが多いのかもしれません。
具体的にはどのような活かし方でしょうか?
ゼロミートは大人から子どもまでおいしくいただけるようにと工夫されていますが、味つけについては「大人っぽい」という印象を持っています。なのでその「大人感」を強調するために、アボカドと合わせたり、さりげなくハーブやスパイスを加えることで、さらにその味わいを深めるような方向でまとめることが多いです。
チンをして簡単にいただけるのもゼロミートの魅力ですが、時間に余裕があるときは少し刺激を足すだけで、グッと大人向けの本格ハンバーグレシピになりますよ。
大豆ミートライフを始めたい人にオススメ!「ゼロミートソーセージタイプ&ハムタイプ」
ソーセージタイプについてはいかがでしょうか?
最初に焼いたとき、想像を超えた香ばしい香りに驚きました。さらに驚いたのが、実際に食べてみると、香りで受けた印象よりもずっと優しい味だったこと。香りの印象ではもっとしょっぱくて強い味わいかなと思ったんですが、大豆ミートらしい優しさがあるんです。
とても調理しやすいですし、これから大豆ミートを食べてみようかなっていう人にもオススメです。
ハムタイプはいかがでしょうか?
火を通さずサンドイッチの具にも出来ますし、驚くほど使いやすいと思います。乾燥タイプの大豆ミートだと、調理の仕方や食べ方に工夫が必要なんですが、ゼロミートのハムは、いわゆるイメージ通りのハム。
「大豆ミートのハムだから」となにか特別に考えたり準備せずとも、従来のハムとまったく同じように使えるのが魅力的ですね。
広まる「プラントベース」と、見直される「大豆」のチカラ
大豆ミートライフを送る上で大切にしていることはありますか?
今年に入ってから、数年前では考えられないほど「プラントベース(植物性由来の食材を使った食品)」という考えが浸透し、そういった商品やメニューを目にする機会も増えました。それ自体は環境問題や様々なアプローチから考えても大切なことだと思いますが、一方で栄養面から見ると、誤解をしている人も多いのではないかと思います。極端な「野菜生活」になってしまうと、やはりたんぱく質不足には気をつけなければいけません。
そこで、大豆なんです。「プラントベース」の魅力が正しく広まっていくうえで、大豆のポジションがとても重要になってきます。豆類は全般的に栄養価が高いですが、お肉やお魚に匹敵するほど良質なたんぱく質を含んでいるのは大豆ですし、プラントベースがスタンダードになればなるほど、からだづくりに理想的な食材として、大豆の役割が重要になってくるでしょう。
そんな大豆を主原料にした大豆ミートは、歯応えもありおいしく、さまざまな料理に応用できる新しい選択肢です。ぜひ日々の献立に活用していただきたいですね。
日本ソイフードマイスター協会代表理事/ソイフード(大豆料理)研究家
池上紗織さん
日本ソイフードマイスター協会代表理事であり、ソイフード(大豆料理)研究家。菜食主義でなくても無理なくおいしく続けられる大豆ミートレシピを研究、その普及にも尽力している。プライベートでは二児の母として奮闘中。